食える中小企業診断士と食えない中小診断士の違い

目次

そもそも食えるというのはどこからか?

食えるか、食えないかというのはよく話が出てきます。その中で、食えるというのはどれだけ稼いだ段階で言うのかという話が出てきます。

私個人としては売上で1,000万円というのが一つの目安だとは思います。手取り年収は多分600万円ぐらいになると思います。

実際食べるだけなら年間売上が500万円でも大丈夫でしょうし、年金もプラスになる人であれば年間売上が100万円でもいいのかもしれません。

私も独立前の年収は300万円ちょっとでしたから。それに比べれば年間700万円の売上になった時は食えるようになったと思ったことを覚えています。

ただ、若い段階で独立していくのであれば、自己投資に必要な経費や貯蓄も含めて考えて、1,000万円の売上というのが食えるようになったという基準でいいのかなと思います。

(1,000万円ではなく、リアルな食える金額の具体的なものを知りたければ、自分で売上と経費だけでもいいので事業計画を作ってください。)

食えるラインの売上である1,000万円を稼ぐには

売上1,000万円だと、毎日働くとして27,400円となります。

独立診断士は毎日仕事みたいなものですが、実際には家族サービスで働かない日もありますし、売上にならない日も沢山あります。

具体的なものとしては協会の活動などは売上にはなりません。勉強のために本を読むこともあれば、展示会に行くこともありますが、これらも短期的には売上に繋がらないですが、必要な仕入です。

つまり、毎日働くことはできないわけです。窓口や常駐といった形で27,400円以下の売上を安定してもらっても食えないというわけです。

食っていくにはコンサルタントになるしかない

結局のところ、中小企業診断士としての強みを生かして1,000万円の売上を目指すためにはコンサルタントしかないわけです。

セミナー講師も一つの方法ですが、これは診断士という資格がメインではないと思います。

私は窓口ではどれだけ頑張ってもコンサルタントにはなれないと思います。これは私がコンサルタントは深い支援をして初めてなれるものだと思っているからです。

窓口は窓口で大切な仕事です。企業に気づきを持ってもらえる場所ですし。診断士にとっても短時間で沢山の案件を片付けるという能力がついてくるのは間違いないです。

ただ、現場に入る回数は少なくなりますし、発言の裏にあるものや、言っていることと数字が違うことを見抜く、コンサルとしての目利き力はつきにくいと思ったりします。失敗を失敗とわからない場合も多いでしょうし。基本無料なので、ピリピリした世界になりにくいというのもあります。

コンサルとしての支援は1社に対して100時間も200時間もかけて、会社の詳細なところまで把握して、行動計画・数値計画の作成支援をすることで出来てくるものだからです。

正直、独立したばかりの時と今の自分では相当な差があると思っています。過去の成果物を見ると恥ずかしいですし。

深い支援を多数する中で、コンサルタントの能力がついてきて、初めて顧問先を持ったりすることで、売上が立つようになってくると感じています。

食える診断士の特徴

私が拝見してきた食えるコンサルタントはどこが違うかと言えば、やはり経験と自信・覚悟です。たくさんの企業の深い支援をしていることと「何とかしてやる」という自信・覚悟が違うように思います。

決して上から目線ではないのですが、オーラが出ているような気がします。言葉にしにくい説得力がすごいです。

また、見ている部分が数値の細かい部分だけではなく、業務プロセス、人事、文化というところへの着目を強くされています。あと、会議でも発言が多いですね。アイデアや注意点がポンポン出てきます。

ただここで言いたいのは、コンサル能力の醸成については時間が解決するものではなくて、どれだけ深くコンサルとして企業に接することができたかということだと思っています。

きっかけが難しいというのはよくわかります。普通にこういったお客さんを捕まえることは不可能に近いと思います。そのため、先輩診断士からきっかけをもらうか、協会からきっかけをもらうしかないと思ったりもします。

このきっかけ作りというのが独立診断士を増やすために一番不足していることなんだろうなというのは感じます。

食えない診断士の特徴

食えない診断士はこのきっかけ作りの重要性がわかっていないような気がします。そして頼るべきところと頼ってはいけないところというのがわかっていないのではないかと思ったりします。

あと、食えない診断士には社会人として問題外という方も結構いらっしゃいます。

納期を守らない、独善的で謙虚さが足りない、出身企業の文化を振りかざす、診断士というのを偉いと勘違いして、上から目線で話す、相手の立場によって態度を変えるといった方々が食えないと言っている場合も結構あったりするので、この辺りは割り引いてみておくことが必要になると思います。

ただ、謙虚に一所懸命にやればそんなに食えないことはないような気はします。

この記事を書いた理由

食えている中小企業診断士の先輩と御飯を食いに行ったので。


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