中小企業診断士のお仕事1.事業調査と提言(1)

中小企業診断士の仕事の最も重要なものの一つである事業調査と提言についてちょっと思うところを記載してみようかと思います。いわゆる「診断士」と名前が付いた理由でもありますね。

事業調査と聞いても何をするのかわからない人がたくさんいるかと思います。その通りだと思います。実際に私のやり方が完璧だとも思いません。

事業調査とは会社の状況を明らかにすることですが、どちらかというとビジネス自体の話で、どうやって儲けているのか、どこに問題があるのかを分析していくものです。M&Aでは事業DD(事業デューデリジェンス)と言われることも多いです。

一般的には事業DDでは内部環境分析と外部環境分析に分けられます。

じゃぁ、自分はどのように分析をしているかということですが、

外部環境分析ではそもそもどういう業種であり、将来性はどうかといったことの分析をしています。5フォースやPEST分析で切り分けるのは一つの方法ですが、そこまで大したことができないので、どちらかというと業界の詳細についてと、競合先がどういう展開をしているかということぐらいの分析にとどめています。

内部環境分析は収益性(財務面)の分析と売上の詳細、仕入といった勘定科目の分析と、バリューチェーンに沿った業務プロセスの分析を主としています。

診断士のレベルの差が出てくるのは深堀の部分だと考えています。

「なんでこの数字?」「どうしてこういう動きになっている?」というような疑問を数値分析やヒアリングで感じられるかというとこですね。

この辺りは真剣に件数をこなしてセンスを磨いたり、知識のストックを持っているかということがさになりますし、どこまで企業のことを考えているかというところにも出てくるんだと思います。軽ーく流しそうなところに、ポイントがあったなんて言うのもよくある話ですので。

分析さえできれば、提言は正直簡単です。分析でおかしいと思ったところについて、対応策を提案するだけです。ただ、差として出てくるのは具体的にできそうで、効果の高いことからやった方がいいのではと持っていけるかと説得力、納得力があるかというようなことですね。この辺りも経験がものをいう気はします。


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中小企業診断士

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