商店街を歩いてみよう

目次

商店街を歩くと見えてくる

中小企業診断士として勉強をしたいという方がいるかと思いますが、そういう方にお勧めなのが商店街を歩いてみることです。企業に行って「中を見せてくれ」というのは難しいですが、商店街に行って「出ていってくれ」と言われることは無いはずです。

商店街自体は仕事としてはお金にはならないですし、独立した後で仕事として関与することはない人が多いと思います。それでも、商売の基礎的な部分は商店街にかなりあります。

どうやって商売をしているんだろうか、どこから商品を仕入れているんだろうか。固定客と新規客の比率は。老人ばかりが使っているが、この街には老人しかいないんだろうか。昼間と夜との違いは何なんだろうか。プロモーションはどうやっているんだろうか。飲食店はおいしいんだろうか。なんでこんなに汚いのに設備投資をしないんだろうか。

軽く思い起こしただけでも、山ほどビジネスの視点で想像できるところはあります。そのトレーニングが他の企業支援にも役立ちます。

商店街の基礎知識

商店街は商店街振興組合と協同組合と任意団体の3つがあります。この辺りは診断士試験でも出てくるので、わかるところだと思います。

商店街の規模によって事務局があるところとないところがあります。事務局があるところは比較的大きい商店街であり、全体としては数が少ないです。ですので、理事長の店舗などが商店街組合の事務所を兼務する形になります。結果として、理事長の負担が大きくなるので、受け持つのがしんどくなり、事業承継が進まないというのもあります。

また、商店街には店主・店舗・土地の3つを考える必要があります。商店街組合というのは基本的に店主の組合になっているので、店舗・土地の所有者が違っているとややこしいことになります。特に地主の問題は結構出てきます。

商店街の高齢化は進んでおり、事業承継が進まないという問題は喫緊の課題です。ですが、商店主は困っていません。そして、子供は優良企業のサラリーマン・医者として稼いでいるから継ぎません。この状態を認識した上で話をしていくことが必要になります。

松山のまちづくりで活躍されている加戸慎太郎さんという方がいらっしゃいます。松山のアパレル店「とかげや」さんのご子息で、メディアにも沢山でています。すごい人だと思いますし、成功事例などとして取り上げられていますが、普通返ってこない人です。慶應義塾大学を卒業して、ゴールドマンサックスに就職後、松山に帰ってきているんです。

どちらかというと、松山の商店街の商店主の息子が慶応大学に行っているというのがポイントだと思っています。実は加戸さんだけでなく、商店主の息子・娘は高学歴のパターンが多いです。だからこそ、承継の問題になっているということを知っておいてもらうといいかなと思います。

商店街のトリビア

●●商店街という形で呼ばれていても、法人は沢山あるというのは常識だったりします。もちろん繋がっているので、一般消費者として意識はしませんが、支援をする段階になると話は違います。

違いを見分けるポイントは看板に書いている商店街名が違っていたり、アーケードやカラー舗装が違っていたりするというのがあります。

また、街路灯というのは商店街の持ち物である場合が多いです。この街路灯の電気代も馬鹿にならないですし、商店街の経費のほとんどが街路灯なんて言う場合もあります。ただ、行政が引き取ってくれるわけではないので、この辺りも老朽化に伴って問題になったりします。

この記事を描いた理由

数年ぶりにある県庁所在地の商店街を歩いてみたところ、あまりにも空き店舗が多くなっていて、コロナ禍の影響だけではないにしても、この先どうなるんだろう。自分は中小企業診断士として何をしたらいいんだろう。なんていうことを感じたからです。


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中小企業診断士

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