コロナ禍後の日本 その1

目次

コロナ禍以前の日本の問題点

コロナ禍で感染者数を煽ると注目が集まるのはよくわかります。TVもWEBも視聴率、アクセス数が命ですから。実際のところ、広告費が落ち込みすぎて、通販の安い宣伝を入れて、業績も悪化しているので、KPIの設定が視聴率で本当に正しいのかと思いますが。

コロナ禍での問題点に対して、TVやWEBで色々と言われていますが、中小企業診断士として企業経営や行政の状況に関わってきた中で思うこともあります。

一番思っているのは、コロナ禍以前から大きな問題点があったのではないかということ。日本はコロナ禍の影響を受ける前から、経済的にはかなり詰んだ状態だったと思っています。特に事業承継がうまくいっていなかったこと、小規模企業と大企業の差が大きくなっていたことです。

高血圧や高脂血症などの持病を持っていたところに、コロナ禍という死に至る病が飛び込んできたというのが実態ではないかと感じています。

コロナの前からの日本の企業の問題点として慢性的な持病は以下の点だと思っていました。

  1. 経営者の年齢が高すぎること
  2. ITに弱すぎること
  3. 財務面の蓄えがなさすぎること、収益性が低すぎること、財務への意識が低すぎること
  4. 変化に対して非常に消極的であること

コロナ禍の前から危惧していたことと影響

事業承継が上手くいかないということはそのまま倒産、破産するということです。蓄えがあり、借入金を返済して廃業という選択ができるのであれば、いいのですが、土地・建物を売ってもどうにもならないという案件も沢山あるでしょうし、全体の内、2割~3割は破産するんじゃないかと思ったりしていました。

中小企業診断士に来る案件というのはどちらかというと状況が悪い案件が多いので、悲観的に見ているというところはあると思いますけど。

そして、破産が増加すると保証協会、日本政策金融公庫の貸倒が大きくなります。結果として都道府県や国の負担となりますので、この制度自体がダメだという報道が出てきた場合、信用収縮も出てくるのではないかと思っていました。

コロナの影響はこれから大きくなるのは間違いないですが。

コロナによる不動産価値の低下

また、コロナ禍の中で、不動産価値が下がることが予想されます。東京に限らず、地方でも集中して住むことが良しとされなくなるかもしれません。そうなると土地の価格も下がるでしょう。担保価値が下がると返済ができないというのも続出すると思います。

基本的には小規模企業の案件に関して銀行は不動産担保か、保証協会付しか考えていないので、今のところ、政府がジャブジャブ貸しているので、何とかなっていますが、不動産担保価値の低下によって借り入れが難しくなるとか、金融機関が回収できなくなるということも発生してくると思われます。

不動産価値が下がっていくので、特にアパートローンを集中してやっていた金融機関の将来は厳しそうです。

コロナ禍での日本人の行動の問題点

コロナの報道や自粛警察の動きから、日本人の状況として感じるのは以下の事です。

  1. 日本人が年を取ってきたこと
  2. リスクを極端に嫌うサラリーマンが増えてきたこと
  3. 働かない人の声が大きすぎること

結局のところ、働いている人が少なくなってきているというのは大きな問題なんだと思います、高齢者は消費以外の経済活動をしないので、自分たちのところに来てくれるなという意識が強いんだと思います。経済活動が動かなくても困らない人たちですし。

また、リスクを嫌うサラリーマンが多く、もちろんコンプライアンスを重視する大企業は顕著に出てきています。「自社からコロナ患者が出たらどうするんだ。」という恐れも当然わかりますし、だからこそ飲み会禁止命令が出ているのも理解できます。ただ、ビール会社が飲み会を禁止するというのは自殺ではないのかと思う部分もありますが。

サラリーマン、特に管理職や間接業務をしている人は付加価値額から収入を得ているという感覚が無くなっていきます。公務員なんかはもっと顕著ですけど。ただ、最終的には付加価値を産まない人は淘汰されていくことになるはずです。

また、WEBの世界ではノイジーマイノリティと呼ばれる、一部の人の意見が大きくなります。マズローの5段階欲求の承認欲求というのは恐ろしいもので、プラスに働く面も沢山あるんですが、暴走すると手が付けられないというのもあります。YAHOOのコメント欄を読んでいて、こんな書き方するかというものが、かなりの数の「いいね」をもらっているというのも見受けられます。少なくとも自粛を謳えばかなりの「いいね」がもらえているみたいです。

そもそもコロナウイルス自体どういうものなの?

そもそもコロナウイルスの話ですが、感染した場合の恐れはどれぐらいなんでしょうか。感染した場合の恐れなどについてTVではほとんど報道がされていません。第二波になってから死者数が減少していますし、今はどうなっているんでしょう。少なくとも私は分からないです。

コメンテーターの話よりも、現場で働いていらっしゃる医師の話を取り上げる方がよっぽど重要だと思います。全番組をフォローしているわけではないですが、重症者、軽症者、無症状者のことなど、医師として生活する上で、取って欲しいことを言ってもらった方がいいと思います。

コロナにかかることは自己管理ができていないからということになっていることも疑問です。なぜ感染しているのかもわからない人が多数おり、マスクで予防できるのかもわからない中で、自己管理にだけ頼ってしまうこともわかりません。

大体コロナウイルスの検出があっても、感染しているか怪しかったり、逆のパターンとして、コロナ禍に感染していても検出できないということもあるという状況、死者数が少ない状況でこれほどまでに警戒をしないといけないのかもよくわかりません。

■日本疫学会のHP
https://jeaweb.jp/covid/qa/index.html

中小企業診断士として、事業調査を普段からしていると、外部環境がわからないまま進むというのは話にもならないと思います。

コロナ禍の問題は解決するのか?

私はコロナ禍に関しては解消しないと思います。既に多数の変異が言われているので、ワクチンはできることはないと思います。仮にワクチンができた場合でも、インフルエンザワクチンも全員が受けることはできていませんから、コロナウイルスも同様のことになると思います。結局、最終的には風邪と同じ対応しかできないと思います。(マスクをし続けていく必要は出てくるんだと思いますが。)

コロナウイルスの感染者が無くなることがないとなった場合は「リスク保有」しかないわけです。ベーシックインカムでは国が持たないです。人は生きていく必要があり、そうなれば付加価値を生み出していかなければならないわけです。

また、人と接触しないで成り立つ経済というのは存在しません。管理職の仕事だって、人と接触して商売をする人たちがいるから成り立っているわけです。WEBで色々という人たちは背景まで想定しているんだろうかというのは思います。

世界経済・政治の状況は分からないけれど・・・

世界経済のことはよくわかりませんが、コロナで経済が悪化している中で、政治的にはきな臭くなっています。米中の争いが起こっています。

ただ、日本の企業が中国に出ていっているのも事実です。私の支援している企業においても、サプライチェーンも中国が入っているのは当たり前になっているので、仮に米中の争いが起きた場合の問題はどうなるんだろうというのは結構怖いです。

この記事を書いた理由

書店に行った時にコロナ禍に関する本がたくさんあったのを見て、自分の考えを間違っていても、まとまっていなくてもいいから記載してみようと思ったので。


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中小企業診断士

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