コロナ禍後、災害増加における中小企業診断士

2020年8月9日

目次

中小企業診断士である自分の身の回り

コロナ禍の影響は経済に大きく出ています。仕事の状況も変わってきていますし、今後に向けたこともよく考えるようになりました。

個人的には仕事が減っているわけでもありませんし、収入もそんなに変わっていません。新規の案件が止まっていたので、今後は一時的に売上は減りそうかなという程度です。最近は仕事が増えだしている感じです。

セミナー中心で仕事をしていた人は、キャンセルの連続で、売上が大幅にダウンしているということは聞いています。

窓口支援は資金繰りを含めた問い合わせが殺到している中で、面談はできないので、WEB面談をしたり、対応の数、質とも今までと違うので、対応に苦慮されていたみたいです。問い合わせが増えても収入は変わりませんし。

顧問を中心にしていた人も、資金繰り支援が重要になるので、金融機関への提出資料を作ったり、同行したり、忙しい状態だったみたいです。値下げを求められたという話も聞きますし、儲かっているかは知りません。

コロナ禍のダメージ

中小企業診断士はあくまでも補助者であるので、企業の状況、国の方針に左右されます。ですので、企業の状況について考えるのが一番いいかと思っています。

企業の状況は非常に悪いです。スーパー・ホームセンターなどの家庭向けに商品を提供するところは現状は若干いいかなぐらいです。

建設系も元々決まっていた案件がある会社や、保守をメインでやっているところはまだそこまでダメージを受けていないです。

製造業もよくない状態です。衛生関連の商品を手掛けている一部の企業は悪くないですが、工作機械関連はダメージが大きいです。先延ばしであればいいのですが。

飲食、アパレル、観光関連のダメージは皆さんが想定されている通りです。売上20%減であれば御の字で、50%減なども当たり前に発生しています。持続化給付金は小さい企業であれば焼け太りするところも出ていますが、中堅企業にとっては1日の人件費にもならないレベルだったりします。

コロナ後の中小企業診断士に必要な能力

コロナ後の中小企業診断士に求められるのは再生支援を基礎とした能力なんではないかと思っています。実際にリーマンショックの後には多数求められたと聞いています。

資金繰り表を作成できるか。それも日繰りで作ることができるか。

事業DDなどで事業を対外的に示す資料を作成できるか。

財務について理解しており、各関係者との問題点を共有し、対応できるか。

現状の問題点の洗い出しを行い、提言することができるか。

モニタリングを行い、各関係者に報告、調整できるか。

上記は一部ですが、最低限必要となると思っています。実際には本来、事業承継支援だったところに、再生的なものも絡んでいくことになるので、今までよりも更に柔軟に対応できる能力が必要となると思われます。

災害対応として中小企業診断士に必要な能力

大雨、洪水による被害も相当な状況になっています。九州などは毎年のように被害が連続しています。

被害からの復興支援として、上記の再生に関する能力はもちろん求められると思います。

中小企業診断士としてBCP(ビジネス・コンティニュティー・プラン)の支援が今後さらに求められるのは間違いありません。

https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/contents/level_c/bcpgl_01.html

正直、BCPが機能するレベルは相当高いものが求められるので、簡単ではないですが、事業の本質を明確にして、対応順序を外部専門家として一緒に作成するだけでも多少は変わっていくんだとは思います。

中小企業診断士に求められなくなる能力

これまで、中小企業診断士が行っていたが、必要となくなる能力、これまでと変えないといけない能力は何なのだろうと考えてもみました。

セミナー講師能力

現在、ZOOMで山のようにセミナーが出てきています。以前よりもセミナーへのアクセスは簡単になりました。個人的には小学校、中学校の先生も日本で一人になるのではないかと思ったりしているので、たかが中小企業診断士のセミナーを求める人なんていなくなるだろうと考えています。

研修能力(人材育成系)

働き方が変わっていく中で、これまでの人材育成といった研修について、これまでと同じ形は通用しないだろうと思っています。そもそも、雇用という形が無くなっていく。テレワークで、副業OKとなるなら、それは雇用ではなく、フリーランス契約ではないかと感じているのも一つです。フリーランスの集合体に対する研修となると考え方から全て変わってきてしまうでしょうし。

中小企業診断士として現在感じていること

セミナー講師研修だとか、窓口相談員向け研修とか、需要があるのもわかりますが、もっと中小企業診断士として求められている本質的な能力を高めて欲しいと感じています。

協会の研修も大きいところは「再生支援」や「事業承継」をやっていますが、地方ではそこまでできているという話は聞かないです。手間もマンパワーもかかるので、中々できないのもわかりますが、企業を診断し、提言して、支援をするという今後求められる基礎的能力の向上が診断士の社会的地位向上に役立つように感じています。


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中小企業診断士

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