おすすめアニメ:サクラクエスト
自分も商店街支援を何件かやっている関係で、サクラクエストは非常に刺さりました。
「サクラクエスト」とはP.A.WORKSというアニメ会社が製作した「お仕事シリーズ」第3弾です。2017年の作品なので、もう3年も前ですが、これが良くできています。
色々な方が深いレビューをされているので、私が記載する必要もないのですが、中小企業診断士という立場でコメントをしてみても面白いかなと思って記載してみました。
「花咲くいろは」も「SHIROBAKO」もかなり好きな作品なのですが、「サクラクエスト」は現状の町の実態をよく表しており、よくこれをアニメでやったなというぐらい真面目なストーリーです。
かわいい女の子も出てきますが、お色気がメインではないですし、悩みだっておっさんの悩みから始まりますし、「チュパカブラ」とか最初から視聴者を置いてきぼり。だから、DVDの販売は非常に悪く、興行的には失敗しており、その後の展開はありません。
商店街の問題として書かれているシャッター商店街ですが、サクラクエストでは「シャッター商店街の人間は困っていない」ということをちゃんと描いているんです。イベントでは町は活性化しないという問題点もちゃんと描いています。
これは現実です。シャッター商店街で困るのは自分が住んでいる地域のイメージが悪くなる住民であり、行政だったりします。シャッターの店舗を持っている人は過去に相当稼いでおり、賃貸不動産や株式をたくさん持っているので、お金に困っていないというのは定番です。だから、安くで貸す必要なんてないので、上に住んでいたり、よそに住んでいたりするわけです。
もちろん、多くの人壊してくれたらいいと思っているんですが、固定資産税のよく言われる問題でそのままにしている方が安いのも大きな理由になります。
イベントで一時的に人が来たらある程度の写真が取れます。町おこしの成功事例として行政は非常に喜びます。けど、イベントの日だって地域の売上にはほとんどつながりませんし、翌日からは以前と何にも変わらない。商店街にとって本当に価値があるのは毎日のお客さんが1人でも増えることだったりします。けど、そんなのでは写真として映えないわけです。
こんなネタはアニメ的には面白くないわけですよ。本質的な問題なんですが。
「若者」「馬鹿者」「よそ者」ということも上手く描かれていますし、外部から持ってきても地域の人は喜ばない。地域の元々の原因は過去にある。という根源的な問題も描かれています。
作品で取り上げているネタは本当に中小企業診断士として商店街支援や街づくり支援をやっているときに直面するものです。
こんな作品を作るP.Aワークスは地域を変える「馬鹿者」なんだろうと思いますし、ぜひ、町づくりに関与する方、中小企業診断士の方に見てもらいたいと思っています。
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